まるで時間旅行?渋谷に隠れた巨大客船 Bunkamuraで旅をする     

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賑やかな渋谷の街を抜けた、高級住宅街・松濤の玄関口。この場所に美術館、映画館、そして二つのホールが入った豪華な建物があるのを知っていますか?

Bunkamuraは様々な芸術を楽しめる複合文化施設。
渋谷駅から歩いて10分程度、隣の東急百貨店本店ともつながっていて、かんたんに足をのばせそう。

正面入り口にあるインフォメーション
1階 ロビーラウンジでは軽食やケーキを楽しめます

中に入ると、高級ホテルのようなラグジュアリーな空間で、少し背伸びをして歩きたくなる感じ。
いつも訪れる渋谷の街で、日常から離れた世界を覗いてみましょう!

思い立ったが吉日!ふらりと入ることができるミュージアム

ザ・ミュージアム エントランス

ふらりと気軽に立ち寄ることができるのは、地下1階にあるザ・ミュージアム。現代より少し前の時代、近代の美術品にスポットライトを当てた展覧会を中心に開催しています。

日本で紹介されることの少なかった作品や、海外の有名な美術館から取り寄せた名品など、幅広く展示しているのが特徴です。作家が作品を制作した当時にタイムスリップができるような凝った空間づくりや演出で、展覧会の世界を堪能できます。

週末の金曜・土曜は21時まで開館しているため、お仕事帰りでもゆっくり鑑賞できるのは嬉しいポイント(入館は20時半まで)。

鑑賞後、アートの余韻に浸りたいときは、同じフロアの「ブックショップ ナディッフモダン」で他のアーティストを探してみませんか。中2階がある横長の店内には国内から海外までの書籍が並び、眺めているだけでも世界が広がります。

図録や写真集はまだちょっと手が出せない……という人には、ポストカードがおすすめ!ゴッホやミュシャなど、有名な芸術家の名画が並び、思わず何枚も手に取ってしまいます。

ル・シネマで、映像を通して芸術を見てみる

6階の映画館、ル・シネマでは独自の視点で選んだ、アジアやヨーロッパの映画を中心に、芸術性もしくは作家性の高い作品を上映しています。単館上映のため、ここでしか見られない作品があるのでお見逃しなく!

ル・シネマ エントランス・ホワイエ
ル・シネマ シアター内

例えば、7月15日に公開される映画「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」は、史上最年少19才で英ロイヤル・バレエ団のトップダンサーになるも、人気のピークで電撃退団したセルゲイ・ポルーニンの姿を追ったドキュメンタリー作品です。

この作品では、本来ライブで鑑賞するダンスをレンズ越しに観ることで、身体美だけでなく、その背景にあるドラマなど別の角度から芸術を楽しむことができます。このようにBunkamuraが「複合文化」施設であることを意識すると、スクリーンに向ける目線がいつもと変わるかもしれません。

上演時間までは、映画鑑賞の定番、ポップコーンにジュースはお休みにして、ホワイエのカウンターでゆっくりカフェタイムも。

過去に上映した作品のオリジナル・パンフレットが年代別に販売していて、見ていると宝探しのようでワクワクします。中には1989年のものも!

「あ、これ見たな」「この映画見逃したけど気になる……(今度レンタルショップで探してみよう)」
と独り言が思わず出てしまうほど。過去の作品にふれることで、今日だけでなく明日以降の楽しみをお土産にできるのは、ル・シネマならではの楽しみ方ですね。

パリの空気を感じられるカフェレストラン「ドゥ マゴ パリ」

心が満たされるアート鑑賞は、頭と体力を使うもの。次は一休みして地下1階の「ドゥ マゴ パリ」でお腹を満たしませんか。

パリにある老舗カフェ「ドゥ マゴ」は、1884年の創業以来、多くの芸術家に愛されてきました。Bunkamuraにあるこの店舗は、その歴史と空気を本店から海外で初めて受け継いだシックなカフェレストランです。

ランチメニューもありますが、今回頂いたのは創業時から人気のケーキ「タルト・タタン」。煮詰めたりんごの深みのある甘さと大人の渋みが後を引きます。添えられた生クリームをつけると、上品な甘さが口に広がって幸せ!

テラス席は日光が注いで気持ちよく、ちょっとの隙間時間が至福のときに変わります。

音に包まれるコンサートホールと、観客に囲まれるシアター劇場

最後にふたつのホール、性格の異なるオーチャードホールとシアターコクーンをご紹介します。

オーチャードホール エントランス

現在、バレエダンサーの熊川哲也さんが芸術監督を務めるオーチャードホールは、国内最大規模のシューボックス型ホールです。
その特徴である約20mの高い天井と壁に音が反射し、観客席はステージで奏でられた音に包まれます。そのためここではクラシックコンサート、オペラ、バレエなど、オーケストラによる演奏が魅力の公演を中心に上演しています。

シューズボックスのように長方形型の観客席

毎年大晦日には、東京フィルハーモニー交響楽団による「東急ジルベスタ―コンサート」が開催されていますが、12時直前の演奏は見ものです。時計を見ずに演奏をはじめ、指揮者の経験と感覚を頼りに12時ジャストで終えて新年を迎える、このカウントダウンイベント。毎回ハラハラし、終えた後にほっと息をつくスリルある年明けを、ぜひ一度体験してもらいたいものです。

シアターコクーン エントランス
客席の左右には三層のサイドバルコニー席があります

一方で、演劇、コンサートやコンテンポラリーダンスなど舞台芸術を上演するシアターコクーン。
江戸時代にあった歌舞伎小屋をイメージして、舞台と客席が一体となるように設計されています。演目によって客席の位置が変わり、時にはステージ上に客席を設けて、舞台が360℃観客に囲まれた臨場感あふれる企画なども。

そしてみなさん、お気づきですか?
実はこれまでご紹介した4つの施設は、それぞれテーマカラーがあります。ヒントはBunkamuraのシンボルマーク。

オーチャードホールは赤、シアターコクーンは緑、ル・シネマは青、そしてザ・ミュージアムは黄色。それぞれ客席の色やフロアの柄などに採用されているのです!
意外と知られていない、この豆知識。訪れたときにチェックしてみてくださいね。

豪華客船Bunkamuraで世界と時間を越えて旅をする

流行にとらわれることなく、いつの時代にも人の心を捕えて離さないハイカルチャーを伝えているBunkamura。国内外、過去から現代まで、さまざまな芸術を同じ空間で楽しむことができ、まるで日本から離れて旅行をしているような感覚になります。

Bunkamura入口のファサードは舟の帆のようにまっすぐ上に伸びています。

それもそのはず。この大きな建物は大きな「船」をイメージしてデザインされていました。玄関口にそびえるファサードは船の帆、先ほど紹介した「ブックショップ ナディッフモダン」の中2階はデッキなど、船のモチーフがあちらこちらに隠れています。

船に乗って、眺める景色は非日常感たっぷり。旅ではなにげないこと、これまで興味がなかったものにも心を開くことができます。

1階 ギャラリー

思いがけないことに心が動き、視界が広がるような感覚を体験したことはないでしょうか。そんな感動体験は、一言で表せないほど色鮮やかに心に残ると思います。

ザ・ミュージアムひとつとっても展覧会で取り上げる内容が毎回異なり、アンテナを無理に広げなくても自然と情報が入ってくることは、複合文化施設ならではのメリットです。ここを訪れるたびに、自分の中で新しい世界が広がっていくような高揚感を覚えるかもしれません。

渋谷の街でアートやカルチャーにふれたいとき、すこし背伸びしてみたいとき。
ぜひBunkamuraの船で旅立ってみてくださいね。

【Bunkamura】
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
営業時間:10:00開館(1/1のみ全館休館)
(※施設、店舗によって休館日、営業時間が異なります)
施設URL:http://www.bunkamura.co.jp/

※記事の内容は公開時点の情報です。価格等の情報については変更している可能性がありますのでご了承ください。
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この記事を書いたライター
小林有希
小林有希
KOBAYASHI YUKI
フリーランスライター。ベルリン崩壊時のドイツで幼少期を過ごした影響か、西洋美術に傾倒。アパレルでバイヤー業を経験。ライター転向後は、紙、WEB問わずファッション、アート、映画、世界遺産など多分野で執筆中。
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