エネルギッシュなムードが漂う渋谷も、夜になればどこからともなく大人が集まり、渋谷という街にひっそりと酔いしれます。
渋谷という街にはどんな一杯が合うのでしょうか。今晩のお店のバーテンダーに聞いてみましょう。
神南に14時からオープンするバーがあると聞いた。カフェ併設ではない。純粋なバーが14時から営業している。
「Bar Rocaille(バーロカイユ)」は、神南のファイヤー通り沿いのビルの6階。普段、通り過ぎているビルだった。日中から行くバーってどんな気持ちになるのだろう。
バーテンダーの板橋広通さんに、渋谷に合うカクテルをオーダー。「うーん……」と一言つぶやいた後に作ってくれた今日の一杯は……。
「こちら“Tea Cocktail”。ヘネシーというブランデーとブラックラズベリーのリキュールを混ぜて、温めた後、セイロンティーを入れて作るホットカクテルです」
ブランデーと紅茶のいい香りにホッとする。口に含めば、ラズベリーが優しく口に広がり、身体の力が抜けていくのがよく分かる。
温めることでアルコールを飛ばしているから、口当たりが優しく、昼からバーにいるという高揚感も手伝って、少しピッチがはやくなってしまいそうに。
「紅茶のカクテルは、明るい中で気軽に飲んでいただきやすいかと思います。
渋谷だから、ということではないですが、カジュアルに、カフェに来るような気持ちでお越し頂きたいですね」
Bar AdoniSで8年勤務したのち、Bar Rocailleをオープン。4年経ち、渋谷歴は12年の板橋さん。渋谷以外の選択肢はなかったのか、と尋ねると、
「居心地もいいですし、若い人の街というイメージもありますが、ちゃんと探せば大人が楽しめるスポットもある。なんでもあるし、幅広いお客さまと出会える。離れることは考えてもみなかったですね」
日が出ている時間は女性のおひとり様も多いのだそう。特に日曜日の日中、明るい中でお酒を楽しむ人が足しげく通う。
「窓がこんなに広いのに、夜だけの営業はもったいないと思ったんです。それに、明るいと緊張せずに来て頂けるみたいで。
夕暮れ時もおすすめです。お昼と夜の入れ替えの時間は、お店の中もゆったりしているので、はじめてロカイユに来るなら穴場の時間。ラクな気持ちでお越し頂きたいです」
昼なのにバーにいる背徳感。あったかいカクテルと明るい店内が、その後ろめたさを少しずつ解いてくれる。
たまには仕事をサボって一杯飲みに来ようかな。日中の数時間の非日常感がちょうどいい息抜きになりそう。クセにならないようにだけ気をつけよう。
「Bar Rocaille」
https://www.bacchus-jinnan-shibuya.com/
営業時間 14:00~23:30
住所 東京都渋谷区神南1-3-3SUNFOREST601
電話番号 03-6452-5606
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