MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店に聞く、「渋谷で働くアラサー女性におすすめする、夏にゾクゾクできる本3選」

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東急百貨店本店に、渋谷最大級の書店&文具店があるのはご存知ですか?「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」は丸善とジュンク堂のダブルネーム1号店。 蔵書数はなんと80万冊以上!さらに文房具の販売もしています。
そんなたくさんの本の中から、プロ中のプロである書店員さんがザ・スクランブルユーザーに読んでもらいたい本をピックアップ。 今回は、夏といえば怪談……ですが、ホラーは苦手という方も多いはず。そこで、ゾクゾクッとする本を社会書担当の中田英志郎さんに紹介してもらいました。

1. ゾクゾク度★『家守綺譚』

『西の魔女は死んだ』で一躍人気作家になった梨木香歩さんの作品。『家守綺譚』は明治時代、売れない作家が亡くなった親友の庭付池付きの家を借り受けるところから話がはじまります。

「ホラーではありませんが、日々起こる、植物や花、鳥や化け物など、人ではないものと作家である“私”との交流が描かれた作品です。
明治ごろでは、新聞でも化け物の目撃談などが記事として取り上げられていたようで、自然と共存していた当時は、身近なものだとされていたそう。

自然の描写がみずみずしく、読後感も爽やか。木の精が出てくるなど、少しファンタジックな世界観も読んでいて楽しい一冊です」

また、悪い人や霊が全く出てこないところも気持ちよく読めるポイントと中田さん。
少し不思議な世界を読書で体感してみてはいかがだろうか。

『家守綺譚』新潮社 497円(税込) 梨木香歩 (著)

2. ゾクゾク度★★『あひる』

「こちらもホラーというより、少し不思議な話です」
『むらさきのスカート』で令和初の芥川賞を受賞した、今村夏子さんの作品、『あひる』。そのほのぼのしたタイトルと表紙とは裏腹に、一匹のあひるを中心に起こる、日常の違和感を描いた作品。

親と三人で暮らす主人公の元に、一匹のあひるがやってくる。かわいがっていくうちに、あひるを目当てに子どもが集まってくるようになり、だんだん家の中が賑やかに明るくなっていく。そんな様子を喜んでいたある日、あひるの具合が悪くなり、動物病院へ預ける。しかし戻ってきたあひるは、預ける前のあひるとなんとなく違う……。

「あひるを預けるたび違うあひるになっている。でもそれに気がついているのは主人公だけ。でも本当に主人公だけが気がついているのか、親は見て見ぬふりをしているのか、遊びに来ている子どもは? ……と、あひるが来てからの日常に疑問を持てば持つほど不可解な点が浮き彫りになっていきます。
日々の中にある、ほんの少しの不気味さに気づいた瞬間ゾッとする作品。サクッと読める長さなので、怖いものが苦手な人への入門書としてもおすすめです」(中田さん)

『あひる』KADOKAWA 562円(税込) 今村夏子(著)

3. ゾクゾク度★★★『グロテスク』

ハードボイルド作品の名手、桐野夏生さん。中でも『グロテスク』は桐野さんの最高傑作のひとつとも謳われている。

「1997年に起こった東電OL殺人事件をモチーフに描かれた作品。センセーショナルな事件だったため、数多くのノンフィクション作品が出版されていますが、桐野さんの『グロテスク』ほど、被害者の心の闇に迫ったものはないのでは、と言われている作品です」

自分とは似ていない美しい妹、名門女子高校のヒエラルキーと妬み、大手企業に入社するも立ちはだかる男女差別の分厚い壁……登れば登るほど報われず絶望し、落ちていく女性たちの物語。

「女性同士の嫉妬や、不毛な競争による精神の消耗、男性社会で生きる女性の切なさなど、生きている人間が一番怖い、と改めて思わされます。怖い、辛い、苦しいと負の感情に苛まれますが、とにかく文章の秀逸さでページをめくる手が止まらなくなり、ぐいぐい引き込まれるのが桐野夏生の凄さです」

気持ちに余裕のある夏休み、読んだことがない方は怖いもの見たさに読んでみては。

『グロテスク』桐野夏生 上巻745円・下巻778円(税込)

「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 渋谷・東急百貨店本店7階
TEL 03-5456-2111
営業時間10:00~21:00
https://honto.jp/store/detail_1570061_14HB320.html
Twitter: @junku_shibuya https://twitter.com/junku_shibuya
LINE@: 「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」で検索
※「hontoカード」、「Pontaカード」「dカード」利用可能

紹介者 「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」社会書担当 中田英志郎

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この記事を書いたライター
高橋優璃
高橋優璃
Yuri Takahashi
出版社の女性向けメディアにてWEBディレクターとしてSNSやビューティ、占いコンテンツなどを担当。 その後独立し、女性向けWEB媒体のエディター、雑誌のライター、大手企業のカタログエディットなどを手掛ける。
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