東急百貨店本店に、渋谷最大級の書店&文具店があるのはご存知ですか?「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」は丸善とジュンク堂のダブルネーム1号店。 蔵書数はなんと80万冊以上!さらに文房具の販売もしています。
そんなたくさんの本の中から、プロ中のプロである書店員さんがザ・スクランブルユーザーに読んでもらいたい本をピックアップ。 今回は、クリスマスを大切に過ごしたくなる海外文学を、社会書担当の中田英志郎さんに紹介してもらいました。
映画好きなら、『ポーラー・エクスプレス』というタイトルでピンとくる方もいるのでは?
監督はロバート・ゼメキス、トム・ハンクスが出演する映画の元となった絵本が、『急行「北極号」』。アメリカの児童文学作家・クリス・ヴァン・オールズバーグが手がけている。
クリスマス前夜に蒸気に包まれた汽車、急行「北極号」が“僕”のもとに現れる。乗り込むとパジャマ姿の子どもたちでいっぱい。行き先である北極点にたどり着くと、サンタクロースから選ばれた一人の子どもに「クリスマスプレゼントの第一号」が手渡される……。
パステルで描かれた優しいタッチの絵の中には神秘性も秘められています。
「一言で言ってしまえば、クリスマスのミステリー。しかし、サンタを純粋に信じていた子どもの頃を思い出させてくれる本です」
村上春樹が翻訳しているので、ハルキストへのプレゼントとしてもオススメです。
『急行「北極号」』あすなろ書房 〈税込〉1,650円 クリス・ヴァン・オールズバーグ(作・絵)村上 春樹(訳)
こちらは何度も映画化されている、クリスマスの大定番作品、『クリスマス・キャロル』。30歳前後なら、ディズニー映画『ミッキーのクリスマス・キャロル』と言えば、記憶が呼び戻される人も少なくないはず。
ケチで人間嫌いの嫌われ者の商売人・スクルージは、あるクリスマス・イブの夜。1人で寂しく過ごしていると、相棒だったマーレイという亡霊が現れる。現在の寂しい人生を変えてくれる、3人の幽霊がこれから彼の前に出現すると伝える……。
「誰しもが、『スクルージのようになりたくない』と思うほど、強欲な人物が、3人の幽霊に伴われ、改心していく物語。ほっこりするお話ではないですが、クリスマス前に再読すると、自分のこれまでを改めて、いいクリスマスを過ごしたくなります(笑)。
朝ドラ、『花子とアン』でお馴染みの村岡花子が翻訳していますが、とても読みやすく、映画でしか見たことがない人は本でも読んでみてほしい作品です」
『クリスマス・キャロル』新潮文庫 〈税込〉473円 ディケンズ (著), 村岡 花子 (翻訳)
アメリカの短編小説の名手、オー・ヘンリーが手がけた『賢者の贈り物』。
タイトルだけでは「?」でも、“時計の鎖”と“鼈甲の櫛”というキーワードで気がつく方もいるはず。
貧しいけど、お互いを想い合う夫婦が、相手にプレゼントを買うために、自分の大事なものを犠牲にして、プレゼントをする。しかしそのプレゼントはその大事なものにぴったり合うもので……。
「オー・ヘンリーといえば、『最後の一葉』も世界中で読まれていますが、クリスマスといえば『賢者の贈り物』を挙げる人も多いはず。
愛するがこそのすれ違いが、切なく、しかし心温まるストーリー。短い作品ですが、想いやりが詰まった作品のひとつです」
『賢者の贈り物』光文社 〈税込〉792円 オー・ヘンリー (著) 芹澤 恵(翻訳)
「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 渋谷・東急百貨店本店7階
TEL 03-5456-2111
営業時間10:00~21:00
https://honto.jp/store/detail_1570061_14HB320.html
Twitter: @junku_shibuya
LINE@: 「MARUZEN&ジ
ュンク堂書店 渋谷店」で検索
※「hontoカード」、「Pontaカード」「dカード」利用可能
紹介者 「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」社会書担当 中田英志郎