ウィンドウショッピングをするように、日本画を楽しむ。『第二弾 日本画解放区』開催。

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2019年12月28日(土)から2020年1月8日(水)まで、Bunkamura Galleryで開催される、『第二弾 日本画解放区』。注目の若手日本画家7名の作品が観れるとあり、昨年好評につき、第2回が決定。
アートに興味はあれど、日本画って敷居が高いのでは? と思っている人も多いはず。そこで今回は出展者の1人、大河原典子さんに日本画の楽しみ方について伺いました。

1976年東京都生まれ。2004年東京藝術大学大学院博士課程修了。現在、鎌倉女子大学准教授。自身の個展の他、数々の展覧会に出品。Bunkamura Gallery日本画解放区は2年連続出品している。

―現代日本画の魅力についてお聞かせください。

大河原:日本画というと、男性作家のイメージがあると思いますが、現在は女性作家が数多く活躍しています。
女性作家は日常をモチーフにしていることが多く、好きなアイテムや服を並べたり、家族や恋愛を題材にする作家も。
よくみて見ると、意外と身近なモチーフが多いのが現代日本画を楽しむ1つのポイントだと思います。
私の作品「彷徨う食卓」は、旅先のリスボンで子どもたちがレストランで食事している姿を通りがかりに見たところが発想の原点です。
そして構図は、スマホで料理の写真を真上から俯瞰で撮るときに「絵の構図にしたらおもしろいかも」とひらめきました。
絵の意味するところは日々の感情から引き出しているので、想像していただけたら嬉しいです。

大河原典子 「彷徨う食卓」 98×98㎝ 紙・岩絵の具・膠

―色使いもいわゆる日本画とは少し印象が違いますね。

そうですね、私ははっきりとしたピンクや緑とグレーを組み合わせて使うことが多いです。
今は日本画と一口にいっても、多様性があります。見たままをリアルに描く人や、アニメのようにデフォルメをしたり、モノトーンからビビッドな色使いまでさまざま。いくつか作品を見ていると、自分の感性に合う絵に出合えると思います。出合いは突然なことが多く、そのときは、きっと心が熱くなるのでは!

―実際にお話を聞くと興味が湧きますが、やはり敷居が高いように感じます。

絵を見るとき、正しい鑑賞方法や知識が必要だと思っている方も多いと思うのですが、好きや嫌いで見ていただくのがいいのかなと。
絵に関しては究極の個人の楽しみ。自分が「この作品好きだなぁ」と思うことが一番大切だと思っています。

―そう聞くと、少し安心します。

ギャラリーに来ると、買わされるんじゃないかと心配する人も多いですが、そんなことはありません。特にBunkamuraは解放感があって、いつでも出入り自由です(笑)。

ウィンドーショッピングと同じ感覚だと思います。洋服を買うときも、お店に入って絶対に買わないと出られない。なんてことはないですよね。絵の展覧会も一緒なんです。新作のアイテムを見に行くような感覚でぜひ足を運んでいただきたいです。

―前回、第1回目の『日本画解放区』の印象はいかがでしたでしょうか?

おしゃれなデザインで場所もよく、広いギャラリーに飾ってもらえてすごく光栄でした。いっぽうで作家には、場所に負けない作品にできたかなという、ある種のプレッシャーがあるんです。

みなさん日本画に対する思いや向かっている場所は違うのですが、同年代のさまざまなアーティストが一堂に会するのは刺激的ですし、見ている人も楽しんでいただけると思います。

渋谷のショッピングがてら、同世代ぐらいの絵描きたちの感性をチェックしてもらえたらとても嬉しいです。ガラス張りのギャラリー、写真映えもしますのでぜひ遊びにきてください!

他の作家もチェック!

神谷恵

神谷 恵 「机上行旅」 116.7×116.7cm 高知麻紙 岩絵具 胡粉 箔

1992年神奈川県生まれ。2019年 東北芸術工科大学大学院修了。大学受験時に日本画科を選択したのがきっかけで日本画の道へ。学生時代より、数々の展覧会で入賞している期待の若手日本画家

◎作品の特徴
1人で自然の中の広い風景を目の当たりにした時の感覚を落とし込むことが多く、星宙や夜景をモチーフが好きです。
日常と星宙の広い世界を対比して描くので、絵を見て物語を想像してもらいたいです。

◎インスピレーションの元
歩いている時や、電車に乗っている時の日常の風景。その光景を元に、小さなイラストを何枚か描いて構成を決めることが多いです、
撮った写真や、ピンタレストを見ている時に思い浮かぶこともあります。

栗原由子

栗原 由子 「亜米利加洋種山牛蒡図屏風」 172×56cm 紙本着彩

1976年生まれ。1999年筑波大学修士課程芸術研究科日本画専攻修了。シンガポールでの小学生時代とアメリカでの高校時代を経て、日本への憧れと、福田平八郎特集を見て、日本画の道へ。グラフィックデザインの会社勤務を経て、日本画の制作を行う。

◎作品の特徴
動植物や、野菜をモチーフにすることが多く、見栄えがいいものではなく、虫食いがあるような形が均等ではないものを好んで描きます。
モチーフを虫眼鏡で見るように観察して、スケッチ。観察した先に見える世界観を描きます。

◎インスピレーションの元
まずは色に惹かれます。出先でも気になる色を見つけると、すぐに確認しに行きます。
散歩の途中、旅先、市場、動植物園や、駅など、ヒントや描きたいものがさまざまなところにあふれていて、制作の手が足りないと感じるほど。。
個展の前はテーマを決めます。テーマを決定した後は、制作だけではなく、普段の生活も意識的にそのテーマに沿う様に暮らしている、それが作品表現に活かせる様に思います。

坂本藍子

坂本藍子 「Birth」 133×48cm 麻紙 岩絵具 針金

1977年東京都生まれ。2003年多摩美術大学美術研究科日本画修士課程修了。卒業後からさまざまな個展や展覧会などに出展。小学生の頃、bunkamuraにて、日本画家の岩橋英遠さんの展覧会をみて、日本画家を志す。

◎作品の特徴
岩絵具や箔を用いて質感を工夫し色々な表現に挑戦しています。

◎インスピレーションの元
ヨーロッパの教会や建築、彫刻、また、音楽、バレエ、映画などの総合的な芸術作品を見た時に、インスピレーションを得ます。

鷹濱春奈

鷹濱 春奈 「森への誘い」145×70㎝ 紙本着彩

1988年兵庫県生まれ。2017年東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復研究領域(日本画)博士後期課程修了。東京藝術大学 COI 拠点 特任助手などを勤める。中学生のときに見た東山魁夷の「濤声」に感動し、日本画の道へ。

◎作品の特徴
大学院在学中に金碧障壁画について学び、自身の作品にも箔などの金属材料を多用。
動物を描くことが多く、ふと見せる表情、仕草を切り取り、箔などで装飾性をもたせています。

◎インスピレーションの元
動物などのスケッチをしているときに作品のイメージが湧くことが多いです。
動きや表情、特に目を見ていると何か物語ってくるように感じることが多いので、それを表現したいと思っています。

松村侑紀

松村 侑希 「舞扇」27.3×19cm 紙本彩色 

1986年静岡県生まれ。2014年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻日本画研究領域修了。東京藝術大学教育研究助手を勤め、数々の展覧会で入選。元々絵を描くことが好きで、芸術系高校に通っていたことで日本画の世界へ。

◎作品の特徴
動植物を独自の解釈で色鮮やかに描くことが特徴です。

◎インスピレーションの元
動物の羽や毛に光が当たった際、いままで見えていなかった色や模様が浮かび上がって見えてくることがあります。そこがイメージの原点です。

水津達大

水津 達大 「揺らぐ森」 100x100cm 紙本彩色

1987年広島県生まれ。2013年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修士課程日本画修了。大学受験時に日本画科を選択したのがきっかけで日本画の道へ進む。

◎作品の特徴
風景をテーマとしています。実際に見た景色や、言葉や物語から連想した作品を描きます。

◎インスピレーションの元
書を見ることが多いです。五島美術館には平安時代の古筆の名品がたくさんあって見応えがあります。 そこで字の流れや料紙の美しさ、表具の裂地の取り合わせを眺めながら自身の絵画制作について考えます。

『第二弾 日本画解放区』

日程:2019年12月28日(土)から2020年1月8日(水)
10時~19時30分
※年末年始の営業時間 1/1のみ休廊 12/31・1/2・1/3は18:00まで

会場:Bunkamura Gallery
https://www.bunkamura.co.jp/access/
問合せ先:03-3477-9174
https://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/191228nihonga.html

◎特別トークイベント開催

数々の美術館で公式トークガイドとして活躍し、展覧会のアートツアーを企画されているアートテラー・とに~さんをMCとして迎え、トークイベントを開催いたします!作家から制作秘話や作品への想いをお伺いする予定です。ぜひお越しください。

日程:2020年1月5日(日) 14時~(約1時間を予定)
※入場無料・事前予約不要 
※直接 Bunkamura Galleryまで来場

※記事の内容は公開時点の情報です。価格等の情報については変更している可能性がありますのでご了承ください。
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この記事を書いたライター
高橋優璃
高橋優璃
Yuri Takahashi
出版社の女性向けメディアにてWEBディレクターとしてSNSやビューティ、占いコンテンツなどを担当。 その後独立し、女性向けWEB媒体のエディター、雑誌のライター、大手企業のカタログエディットなどを手掛ける。
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