ビジネスにも役立つマインドフルネスとは? 効果、やり方、注意点まで解説!

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忙しい日々に追われ、なんとなくピリピリ、うつうつとした気分が続いている……かといって、旅行や趣味でストレス発散する時間がない。そんな人におすすめなのが「マインドフルネス」です。

手軽に気持ちを落ち着かせ、集中力を上げる方法として、実はグローバル企業でも導入されるなど、ビジネスシーンでも注目を集めています。では「マインドフルネス」とは一体どのようなものなのでしょうか。その効果、実践方法、そして注意点まで詳しく解説します!

マインドフルネスとは

目の前のことに集中をしようとしても、過去の失敗、未来への不安、周囲からの意見や評価などなど、ついつい頭に浮かんでしまうことはありませんか。特にネガティブな気持ちや考え、想像ほど、心や頭を捉えて離さないものです。その結果、最初は小さなストレスだったものが、どんどん増幅させてしまうことも。

「マインドフルネス(mindfulness)」は、そういった雑念を手放して、心を“今・ここ・自分”に集中させる精神状態を、主に“瞑想”を用いて、意識的につくっていきます。マサチューセッツ大学医学校名誉教授のジョン・カバット・ジン(Jon Kabat-Zinn)博士が、「マインドフルネス瞑想」を医療分野に最初に取り入れたことをきっかけに、世界に普及しました。

ビジネスでも注目されている?

集中力を高め、心身のコンディションを整える「マインドフルネス」の瞑想はビジネスシーンでも注目され、日本の企業でも取り入れられています。

日本は年々、労働人口が減少していてどこの組織も人材不足問題に頭を抱えています。少ない労働力でも最大限のパフォーマンスを発揮するためには、業務効率化・生産性の向上など組織的な改革も必要ですが、個人のパフォーマンス力向上も不可欠です。

しかし個人のパフォーマンスを、従業員ひとりで向上するのは困難なものですよね。モチベーションだって維持するためには、単に給料・役職だけでなく、働く環境、ライフステージに応じた多様な働き方への対応、将来性など、さまざまな要因が関係します。

そこで活きてくるのがマインドフルネスです。マインドフルネスで従業員一人ひとりのコンディションを整えると、すぐに変わらない状況下でも、「今」やるべきことに集中することができ、社内・社会における自分の価値観を再認識することができます。ひとりで企業の体制をいちから変えることはできませんが、「今・ここ・自分」に集中して、パフォーマンスとモチベーションを向上させるのです。もしかたら「転職しようかな」と迷っている方も、マインドフルネスを通じて自分の新たなやりがいを見つけることができるかもしれませんよ。

マインドフルネスで期待できる効果

ではマインドフルネスを実践するとどのような効果が得られるのでしょうか。詳しく解説していきます。

集中力アップ

マインドフルネスでは、主に「瞑想」を用います。瞑想で呼吸に集中し続けると、余計な考えを捨てることができるだけでなく、怒りなどの感情をつかさどる脳の部位「偏桃体(へんとうたい)」の活動が低下すると言われています。

そのため、瞑想を繰り返し行うと、不安やストレスが軽減し、心身ともにコンディションを整っていきます。まさに「継続は力なり」で、鍛錬の継続が注意力や洞察力を高め、より「今」に集中できる力を養っていくことができるのです。

自己認識能力・自己管理能力の向上

マインドフルネスを実践すると、自己認識能力と自己管理能力が向上すると言われています。「自己管理能力(セルフマネジメント)」は“自分を律する力”とわかりますが、「自己認識能力(セルフアウェアネス)」とはどういう意味なのでしょうか。

「自己認識能力」とは、自分の感情は今どのような状態か、自分の長所や短所は何か、自分は今何を欲しているのかなど、自分自身の内面を見つめ、理解を深めることです。自己管理能力と自己認識能力の2つを高めると、「自分が今どんな状態かを理解し、今どう動くべきかを判断」できるので、仕事のパフォーマンスが向上すると言われています。雑念を取り払えば、すっきりした頭から新しいアイディアが生まれやすくなるかもしれません。

感情的な知性が向上

人間には感情があるので、仕事がいくつも重なり、トラブルも相次ぐとイライラしてしまい、正常な判断や円滑なコミュニケーションができなくなるものです。マインドフルネスで自己認知が高まると、次に「感情的な知性(エモーショナルインテリジェンス)」が向上すると言われています。

「感情的な知性」とは、自分や他人の感情や状態を察知して、その背景を理解し、感情を調整する能力のことです。この能力は、主に対人コミュニケーションに役立ちます。コミュニケーションで難しいのは、自分の発言を“相手がどのように受け止めるか”まで想像力を働かせなければいけない点です。マインドフルネスで「感情的な知性」を向上できれば、情報や感情に振り回されず、じっくりと自分自身で考え、相手に対してどのように接すれば良いか判断する余裕が生まれるようになります。

初心者でもできる!マインドフルネスのやり方

マインドフルネスの瞑想は、1回の実施で効果がでることもあります。しかし大事なのは、毎日継続して行い、その効果を高めていくことです。参考までに時間を記載していますが、瞑想に決まった時間はありません。意識を集中させることが目的なので、自分なりに必要な時間を見つけてみましょう。

静座瞑想法

基本的な瞑想方法です。初めて瞑想を行う人はまずここから始めてみましょう。

(1)姿勢を整える
頭から首、背筋にかけて一直線になるように、椅子や床に垂直に座ります。椅子に座る場合は手を軽く膝の上に置き、床に座る際はあぐら状に足を組みましょう。視線は下へ、目を軽く閉じます。

(2)呼吸を整える
鼻から息をゆっくりと吸い、お腹や肺の膨らみを感じましょう。そして吸ったときよりも時間をかけて、鼻から息を吐きます。この呼吸を1分~1分半(大体で結構です)行い、空気が体の中を通る感覚に集中して、瞑想に入る準備をします。

(3)呼吸に集中する
目を閉じたまま呼吸を続けます。自然に、普段通りの呼吸をして、意識を集中させていきます。その間、色々なことが頭の中に浮かぶと思いますが、無理に考えをやめようとせず、浮かぶままに任せてください。

(4)自分の状態を把握しては流す
呼吸に集中して、考えが浮かぶさまを客観的に見てみましょう。浮かんできた考えに対して「自分は今イライラしているな」「不安な気持ちがあるな」など、心の中で言葉にしてみます。このようにして自分の状態を把握していきますが、その気が付いたことも気に留めず、静かに流していきましょう。そして再度呼吸に集中します。

上記の(1)~(4)が基本的なマインドフルネスの瞑想方法です。1日1回、10分程度から始めて、30分以上集中できるようになるまで時間を徐々に伸ばしていきましょう。繰り返していくと、だんだんと雑念を流し、呼吸に集中できるようになっていきます。

ボディー・スキャン

ボディー・スキャンは瞑想しながら、体のパーツに集中して不快な部分、緊張している部分を少しずつ解きほぐしていく方法です。

(1)姿勢を整える
肩幅程度に足を広げて立つか、背筋を伸ばして椅子に座ります。ベッドなどに横たわっても大丈夫です。

(2)呼吸を整える
静座瞑想法と同じように目を閉じ、呼吸を整えます。

(3)体のパーツに集中する
パーツはどこから始めても構いません。頭から徐々に足に向けて意識を細部に向けていっても良いです。反対に左足の先から脚の付け根、次は右足の先から脚の付け根へと移動して頭に向かうなど、自分のやりやすい方法を選びましょう。部位に集中するときは、懐中電灯などの光が頭の表面から内部まで、くまなく照らしていくイメージで行います。かゆみ、痛み、風で髪が揺れているなど、些細な感覚に気付いたら、言葉にしてみてください。

(4)不快な部分は新鮮な空気を送る
不快に感じる部分、緊張で筋肉が固まっていると感じる部分があれば、その部分に届けるように新鮮な空気を取り込み、不快な感覚や緊張を呼気と共に吐き出しましょう。多少でも感覚が和らいだら、次の体のパーツに移動して、全身をスキャンしていきます。

歩行瞑想法

歩行瞑想法は、名前通り、足の感触に意識を向けながらゆっくり歩くことで意識を集中させる方法です。

(1)姿勢を整える
体の力を抜いて、背筋を伸ばしながら真っすぐ立ちましょう。できれば家の中など安全な場所で、素足で行うと足裏の感覚に集中しやすくなります。

(2)呼吸を整える
深呼吸して、手と腕をリラックスした状態に。視線は3~4メートル先の床に落として、足元は見ないようにします。歩くときは自然な呼吸で大丈夫です。

(3)ゆっくりと歩く
足の動きと感覚に集中して、ゆっくりと慎重なペースで歩きます。足が地面から離れて上がるとき、かかとが地面に触れるとき、自分の重心が前に移動するとき、重心が反対側の足に移動するときの感覚を捉えます。

(4)体の感じ方に意識を向ける
途中向きを変えながら、初めは5~10分程度、その後は徐々に時間を伸ばしながら好きなだけ歩き続けます。歩いて重心が変わるごとに、ほかの体のパーツがどのように感じているか、内部に生じてくる感覚に注意を向けて、集中力を高めていきます。

マインドフルネスを実施する上での注意点

マインドフルネスの瞑想は道具を用いず、費用もかからないため、誰でもどこでも実践できるというメリットがあります。しかし一方で、マインドフルネスを信じすぎるがゆえに「瞑想をしないと集中できない」といったように依存してしまう可能性もあるので注意が必要です。ほかにも疾患のある人は医師に相談の上、きちんとマインドフルネス瞑想を学んだ人のもとで実践しましょう。

まとめ

マインドフルネスの瞑想は、リラックスするためのものではなく、「今・ここ・自分」の状況をありのままに受け入れ、注意を向けて、集中させるためのトレーニング方法です。ビジネスシーンだけでなく、日常的な生活の質を高め、より良い人生を送るための手段にもなりえます。毎日継続することが大切ですが、まずは自分にできる範囲で始めてみましょう。

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