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MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店に聞く、「渋谷で働くアラサー女性に読んでほしい夏に読みたい、胸がときめく本3選」

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2019/7/23更新

東急百貨店本店に、渋谷最大級の書店&文具店があるのはご存知ですか?「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」は丸善とジュンク堂のダブルネーム1号店。 蔵書数はなんと80万冊以上!さらに文房具の販売もしています。 そんなたくさんの本の中から、プロ中のプロである書店員さんがザ・スクランブルユーザーに読んでもらいたい本をピックアップ。 今回は、恋がしたくなる気持ちが加速する、夏に読みたい胸がときめく恋愛本を3冊、社会書担当の中田英志郎さんに紹介してもらいました。

1. 『ジョゼと虎と魚たち』

2019年6月に91歳で亡くなった作家・田辺聖子さん。 恋愛小説の名手と言われ、訃報のニュースが配信されるや否や、文芸ファン、特に女性から死を悼む声が寄せられた。

「9つの短編集の表題作『ジョゼと虎と魚たち』は2003年に映画化されました。 作家の田辺聖子さんが愛される理由のひとつは、大阪出身の田辺さんの作品のセリフがほとんど大阪弁であること。そのリアルさの妙があげられるかと思います」

幼少の頃から、車イス生活の“ジョゼ”。ほとんど外出をせず祖母の家に身を寄せている中、とある事故がきっかけで大学生の恒夫に出会う。車イスの“ジョゼ”を気にかけ、時折家を訪ねるようになる恒夫とジョゼが、少しずつ交流を深める中で、好意が生まれていく。

「あまり人と交流のなかったジョゼは、恒夫の好意を素直に受け止められなかったが、恒夫の優しさに触れて、徐々に心を開いていく様が描かれています。恒夫も最初はただの人助けだったのが、ジョゼの個性的な言動に垣間見える純粋さや料理上手な部分に惹かれていく。精神的な繋がりを感じさせる作品です」

小説と映画のエンディングは全く違うので、比べてみるのも楽しい作品。

『ジョゼと虎と魚たち』角川文庫 518円(税込) 田辺 聖子 (著)

2.『泣かない女はいない』

「前情報なく作品だけを読むと、女性の作家かな? と思うほど、女性の気持ちをリアルに描ける長嶋有さん。男性が書いてるとは感じさせない心理描写が読みどころです」

『猛スピードで母は』で芥川賞を受賞した長嶋有さん。この表題作の主人公は普通の会社で事務職として働く30代前半らしき“睦”。同棲している彼氏“四郎”がいるが、同じ会社の社員“樋川”に恋心を抱いていく。

「大きな野望もなく、日々仕事をこなすだけの“睦”が、同じ会社の年上の社員、“樋川”の真摯な姿勢に惹かれていく、いわゆるオフィスラブ。しかし、これといってドラマティックな展開があるわけでもなく、“樋川”への想いを募らせていく様が描かれている。 とにかく淡々とした調子で書かれているので、むしろ現実世界に本当に起きていることかと錯覚するほどリアルです」

修羅場もなければ、エモーショナルな交流があるわけでもない、ただただ人に惹かれていく様子が描かれている。中田さん曰く、いわゆる、キラキラ、キャピキャピした作品ではない、落ち着いた気持ちで読める恋愛小説。

『泣かない女はいない』河出文庫 529円(税込) 長嶋 有 (著)

3.『椿姫』

作品名は聞いたことがある、という人は多いはず。
フランスの作家、デュマ・フィスの傑作『椿姫』の初出は1848年。170年を超えて今なお読み継がれる恋愛小説。

19世紀の中ごろ、高級娼婦“マルグリット”は、パリの社交界でお金持ちを相手に、享楽的な生活を送るが、そんな生活に飽きと疲労を感じていた。そんな時、田舎のブルジョワ青年“アルマン”に出会う。アルマンからのまっすぐな想いに最初は困惑するマルグリットだが、やがて恋仲に発展する。しかし身分違いの恋にはいつの時代も障害がつきもので……。

「マルグリットは娼婦ではありますが、『椿姫』は純愛小説。身分が違うのをわかっていながらも恋に落ちてしまったり、邪魔者が入って恋が破綻してしまう場面など、時代が経ても共感できるところばかり。170年経った今でも恋愛の本質は変わらないことを教えてくれます」

時代の常識は違えど、恋愛小説の礎を築いたといっても過言ではない、『椿姫』。恋愛以外でも共感ポイントがあるそうで。

「序盤のマルグリットは高級娼婦として可憐な女性だったのが、訳あってアルマンに別れを告げる場面では、気高く毅然とした態度で振舞っているところが印象的。いつの時代も女性は強く、賢い存在なんだなぁ、と。女性の潔さは170年経っても変わらないと思いました」

さまざまな出版社から出版されている『椿姫』。翻訳者が違うので、読み比べもおすすめです。

『椿姫』光文社文庫 1,160円(税込)デュマ・フィス(著) 永田 千奈 (翻訳)

「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 渋谷・東急百貨店本店7階
TEL 03-5456-2111
営業時間10:00~21:00 
https://honto.jp/store/detail_1570061_14HB320.html
Twitter: @junku_shibuya https://twitter.com/junku_shibuya
LINE@: 「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」で検索
※「hontoカード」、「Pontaカード」「dカード」利用可能

紹介者 「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」社会書担当 中田英志郎




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