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【女性バイヤー奮闘記】クリスマスケーキ商戦PART1 名店相手に奮い立つ! 真夏の商談編

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2017/10/6更新

まもなく、東急百貨店では、クリスマスケーキの予約がスタート! 毎年、注目のショップやメーカーが手掛ける渾身のケーキが話題を呼び、売り切れも出るほど大好評のラインナップは、いったいどう揃えられているのか……。その陰には、一人の若き女性バイヤーの熱きドラマがありました。

普段、なかなか見ることのできないショップやパティシエとの交渉やデザインの相談、カタログの撮影や構成など、数え切れないほどの業務をこなす、“バイヤー奮闘記”を連載形式でお届けします。第一回目は、「交渉の現場」をリアルレポート。

「すべては、最高のクリスマスケーキをお客様に届けるため」

クリスマスとはほど遠い真夏、すでにバイヤーは、クリスマスケーキのために動き出していました。東急百貨店スイーツのバイヤー鹿島淑子さんは、その日、恵比寿の人気店『パティスリー レザネフォール』へ東急百貨店のオリジナルクリスマスケーキ製作の交渉へ向かっていました。

クリスマスケーキ 東急百貨店

ショップへ着くと、すぐにシェフと打合せが始まります。今年のクリスマスケーキカタログのテーマである“My jewelry box ~私の宝箱~”に合わせて、デザインの方向性や製作のキャパシティーなど、テンポよく話しを進めていきます。

同店の菊地賢一シェフは、数々のコンクールで優勝や入賞の経験を持つ超エリート。さらには、昨年東急百貨店で展開したクリスマスケーキは、ハイヒールモチーフを添えた圧巻のデザインが多くの人の心を捉え、予想の約3倍も販売したという実績の持ち主です。そんな“敏腕シェフ”を前にしても、若き女性バイヤーは「形は、四角より丸いほうが注目を集めやすいので、丸にしましょう」「苺がいいですね」「花のデザインの方が素敵です」と臆することなく、自分の意見を伝えていたのが印象的。正直なところ、「生意気!」などと怒られることはないのかと、周囲で見守る取材班のほうがヒヤヒヤ……。そこで、菊地シェフに鹿島さんの印象について伺ってみることに。

「デパートによっては、こちらのいう通りに『それでいいです』というところもあります。けれど、鹿島さんは、クオリティの高さをとことん追求する。クリスマスという特別な日の特別ケーキを通して、お客様に感動を届けたいという真摯な想いが伝わってくるんです。それは、僕ら作り手と同じ気持ちなので、仕事がやりやすいですね」。さらに、「この最終段階の打ち合わせの前にも何度となく足を運んでくれていいコミュニケーションが取れているので、提案もすんなりと受け入れられるというのもありますね」と菊地シェフは続けた。そう、鹿島さんのクリスマスケーキ商戦は、3月頃からすでにはじまっていたため、この日すでに3度目の訪問だったのです。

気温33度。汗をかきながら炎天下を歩き周り、つぎなる店へ

恵比寿を出て、次の交渉の舞台へ。この日は、33度という猛暑日。熱風がまとわりつくような暑さで、鹿島さんは額に汗をかきながらも、「この暑さにももう慣れました」と笑顔を見せていました。今年、東急百貨店では、全部で約70のショップやメーカーのクリスマスケーキを取り扱っています。それらのショップやブランドと、商談や交渉、打ち合わせを繰り返しているというのだから、その労力は脱帽ものです。

けれど、そこまで努力をしても、すべて実を結ぶというワケではないそう。「毎年通っても一度も取組み受けてくださらないショップもあります。それでも、もしかしたら今年こそ!? というかすかな可能性にかけて交渉を続けることも。なかなか買いに行けないような場所にあるお店のケーキや、憧れのお店の限定品が東急百貨店で買えたら、多くのお客様に喜んでいただけるはず。その想いが原動力になっています」。そう言い、限りある時間を惜しむように真夏の商店街をガンガンと突き進んでいきました。

ショップひとつひとつの個性を生かしたケーキを生み出す交渉

クリスマスケーキ 東急百貨店

2つ目の交渉先となったのが、武蔵小山の『パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ』。商店街から1本裏道に入ると、シックで大人の雰囲気のパティスリィに到着しました。そして、鹿島さんとシェフパティシエールの武幸子さんと打ち合わせがスタートしました。

クリスマスケーキ 東急百貨店

武さんが「2層にしようと思っています。下はベイクドチーズで上にはフランボワーズを」などと話を進めると、「多くの女性が大好きな味わいの組み合わせです。いいですね」と意見を伝える鹿島さん。彼女の頭の中には、過去にヒットしたケーキがインプットされていて、その情報を伝えることは、とても大切な仕事なのだそう。『パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ』の味は確か。その美味しさをより多くの知ってもらうために、過去の経験が新たなヒットケーキづくりの道標になっているのです。

クリスマスケーキ 東急百貨店

話を進めていくうちに、先ほどの恵比寿『パティスリー レザネフォール』とは、鹿島さんが提案する方向性が少し異なることに気づきました。それは、一店、一店、ショップの個性や特徴にあったイメージを最大限に魅せられるデザインや内容を引き出していたのです。「ケーキとひと言でいっても千差万別。その店の“色”がクリスマスケーキの魅力になりますから」と鹿島さん。バイヤーになりたての頃は、ケーキにさほど詳しくなく、お店の“色”を勉強し、食べて味を学ぶなどして、努力を重ねたそうです。

打ち合わせの結果、素材すべてを生かした味でありながら、ありきたりではない特別感のあるクリスマスケーキを生み出す“『パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ』ならでは”の方向性が決定しました。今回のように、スムーズに話がまとまるケースばかりでなく、ときには理解が得られず、交渉が長期戦になることもあるそうです。

「このスムーズさが鹿島さんのスゴイところ」と武さんは言います。ケーキ屋さんにおいてクリスマスという一年でもっとも忙しい時期に、東急百貨店の販売分まで受けることは、とても大変なこと。けれど、「鹿島さんのスケジュール管理は一級! いつまでに何をどのように進めるかを明確にしてくださるので、なんとか続けられています」とおっしゃっていました。

帰社してからも膨大な資料をまとめる仕事は夜遅くまで……

こういった交渉の結果、どの店がどういった内容のケーキをつくるかを把握してまとめ、データ化するのもバイヤーの大切な仕事です。そして、各店にお願いをしていたケーキのデザイン画(中に何が入り、どういった層になっているかが見える断面図)が次々と届き、その内容をチェックし、納得いかなければ、また再度交渉を行う必要があるといいます。同時に、クリスマスケーキには欠かせないカタログの作成を進めなければならず、「1日があっという間です」と鹿島さんは、その忙しさを笑顔で語っていました。

華やかなクリスマスケーキシーズンの裏には、食事をする間も惜しんで走り回る女性バイヤーの姿がありました。これほどの努力が積み重なり、選び抜かれたクリスマスケーキが、いったいどんな“顔ぶれ”なのか、気になりませんか? カタログの完成まで、もう少しお待ちください。

次回は「クリスマスケーキカタログ」の制作現場をレポートします。お楽しみに!

東急百貨店クリスマスケーキ特設サイトはこちら




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