ホームSHIBUYA Community > クリエイター専門シェアオフィスってどんなところ? co-lab渋谷キャストの入居者にインタビューVol.5

SHIBUYA Community

クリエイター専門シェアオフィスってどんなところ? co-lab渋谷キャストの入居者にインタビューVol.5

  • facebook
  • twitter
  • hatena

2018/4/10更新

2017年4月に渋谷にオープンした複合クリエイティブ施設「渋谷キャスト」。その中に位置するするクリエイター特化型のシェアオフィス、「co-lab(コーラボ)渋谷キャスト」には、IT系から映画監督まで、約150人ものクリエイターが利用しています。このシリーズでは、会員の方々に現在の活動やシェアオフィス活用の実態、渋谷の街に対する想いを語っていただき、ご紹介していきます。

情報通信や移動に関わるテクノロジーの発達により、近年は働き方が多様化しています。その結果、かつてのように同じオフィスに皆が集まって仕事をするスタイルから、リモートワークのような、個々人がより自由に働けるワークスタイルが広まってきています。

そして、このような働き方の流れはクリエイターの方々にも広まっています。今回は、東京からあえて新潟に拠点を移して活動されている、デザイントーク株式会社で代表取締役を務める宮田里枝子さんに働き方とデザインのお仕事について、お話をお伺いしました。co-lab渋谷キャストからお送りします。

学生時代にコンペで入賞 フリーランスデザイナーとして活躍

Q1:co-labに入られたのはいつごろですか?

六本木にco-labが初めてできたときからお世話になっていて、もう14年ほどになるかと思います。co-lab代表の田中さん達と一緒にプロジェクトでご一緒したことが入居のきっかけです。学生の頃からフリーランスデザイナーとして活動していましたが、そのときは自宅をオフィスとして使っていました。

Q2:co-labのどういうところに魅力を感じていますか?

まず、働く環境として、作業スペースやミーティングルームが使いやすくて純粋に便利だということ。次に、入居している人たちが本当に魅力的なところですね。co-labには幅広いクリエイターの方々がいるので、クリエイティブな多様性があるんです。

仕事をしていて情報がほしいときは、co-labの仲間に相談することができますし、私が受けた仕事を手伝ってもらったり、人をつないでもらえるネットワークがあるんです。そういうところに魅力を感じていますね。

デザイントーク株式会社 代表取締役 宮田里枝子さん

Q3:お仕事で印象に残っているプロジェクトはありますか?

学生時代に仕事として初めて手がけた案件ですね。デザインコンペで賞をとったことがきっかけで声を掛けていただいたお仕事で、福井県の地場産業の一つである細幅織物を素材に使った新しいプロダクトを作る、というプロジェクトでした。

子どもの頃からもの作りが好きだったので、面白いものや新しいものを作るのは得意だったんです。ただ、当時は「どう売るか」というところまではよく分からなかったんですね。

その結果、プロダクトデザインとしての面白さが高く評価される一方、それほどは売れない、という経験をしました。ああ、評価されることと売れることは違うんだ…とショックを受けました。海外の展示会でも高い評価を受けたのですが、商談に進むと「価格が高すぎる」「水洗いできないのは不便」等の理由で、たくさんは売れませんでした。いいものは作ったけれどなんだかうまくいかない、という経験でした。

地方の地場産業を担うような中小企業の多くは、大企業のようなマーケティング専門の部署や営業組織を持っていないことが多いので、誰にどう売るかという視点をデザイナーが持つことがなおさら大事だったのだと思います。そういった現場では、作ることだけで精いっぱいになってしまうことが多いので。

結果的に、私にとっては評価を受けて嬉しい反面、新しい課題に直面したプロジェクトとなり、以来、20年近くずっとデザインに向き合い、現在ではブランディングやデザイン教育までを手がけるようになりました。

仕事の拠点を新潟に移す 東京に来るのは必要なときだけ

Q4:新潟に拠点を移された背景をお聞かせください。

5年ほど前に、地方に移住している知り合いの話を聞いたことがきっかけで、いいなと思いはじめたんです。私の周りには、co-labを含め地方に移住した知り合いが何人もいるんです。そうした人たちが週に1度東京に来るだけで仕事を回している様子を見て、自分もできそう、と思いまして。3年前に新潟県長岡市に拠点を移しました。

新潟には友人がいて、よく遊びに行ってたんです。その友人は3人の子育てをしながら弁護士として活躍し、東京へも度々出張し、日帰りで新潟に帰るようなライフスタイルなんですよね。

新潟はごはんやお魚、お米、野菜、お酒が美味しく、空気がきれいです。また、景色も美しく、雪遊びもできます。私もそんなところで子育てできたらいいな、友人に比べれば自分の仕事はより簡単だな、と感じてしまって(笑)。

今は東京のクライアントだけでなく、新潟県内にもクライアントを持ち、県内の靴下メーカーさんの案件など何社かお仕事をさせていただいています。

プロダクトデザインからブランディングまで手がけられている「ケアソク(CARE:SOKU)」co-labのメンバー数名でデザインチームを作って取り組んでいるプロジェクト(Client:株式会社山忠)

Q5:ありがとうございます。とはいえ、クライアントワークは東京にいた方が移動とかも楽じゃないですか?地方のクライアント様が当時から多かったんですか?

当時も東京のクライアントが中心でした。ただ、振り返ってみると、東京にいなきゃいけない理由、というものがそんなになかったように思うんです。

私の仕事だと、現場に行かなければできない仕事は、対面がどうしても必要な面談と、マーケティングリサーチくらいなんです。今はネットもあるし、電話もあるし、会わないといけないのは本当に大事なシーンだけなんですよね。逆に東京にいるときは、無駄に使っていた時間も多かったな、と思っています。

あと、新潟でも私の住んでいる地域からは上越新幹線に乗れば1.5時間で東京に来れてしまうので、東京近郊で1.5時間かけて通勤する人と時間的にはあまり変わりないんですよね。

ストーリー性がある渋谷の街 思い出は、いつも坂と一緒

Q6:渋谷の街に対する想いをお聞かせください。

渋谷って、特殊な場所だなと思います。坂が多い街じゃないですか。私は田園都市線沿いで育ったので、渋谷は小さい頃からよく行く街なんですが、渋谷の思い出はいつも坂とセットなんですよね。坂があるだけでストーリー性がある。ぶらぶらしていて楽しいですし。

昔は面白い店がもっとたくさんあったんです。どこにでもあるお店ではなくて、通りをちょっと曲がったところに、個性的でカジュアルなお店がある、といった感じ。中高生のころの渋谷はそんな感じで、渋谷を起点に原宿や代官山方面まで歩いてお店巡りをするのが本当に楽しかったです。現在行われている渋谷の再開発にも注目しています。実は若い頃の祖父が生前のハチ公をよく知っており、母も高校の帰りに渋谷駅前であんみつを食べていたというので、親子三代で渋谷ウォッチャーです。

Q7:地方に関心がある人にメッセージがあればお聞かせください。

私は思い立ったらすぐやってしまうタイプで、合わなかったらもどってきたらいいし、という感覚で気軽に移住したので…どうかな(笑)。でも、興味があるならやっちゃえば、と思いますね。どうしたら実現できるかを考えたら、意外とできると思いますよ。特にフリーランスの人であれば、海外に行く人もいるくらいですから、地方ならもっと気軽に移住できるんじゃないでしょうか。

あと、私自身、新潟に移り住んだことで、それまでの自分の中での常識は「東京の常識」でしかなかったということに気づきました。地方の案件も受けていたのに、地方のことを全然わかってなかったな、と。神奈川出身でずっと東京で仕事をしてきた私は、常識が狭かったんですね。

今は、日本海側の文化も違うところに入って生活することで、そこにいる人の感覚や価値観が肌感覚で分かるようになったことで、視野が広がったと思います。東京も好きですが、今の私は新潟で暮らし、時々東京に来るというペースが気に入っています。

[取材を終えて…]
宮田さんのお話を聞いて、地方に拠点を持って仕事を行う、という生き方を身近に感じるとともに、工夫を凝らせば様々な働き方ができる時代だ、ということを改めて実感しました。自分の働き方を見直すことで、これからのライフスタイルを変えるきっかけになるのではないでしょうか!ご協力いただいた宮田さん、ありがとうございました!

取材協力:
◆co-lab 渋谷キャスト
http://co-lab.jp/
◆デザイントーク株式会社
http://designtalk.jp/




ザ・スクランブルは渋谷の情報を集めて紹介するファッションマガジンです
  • facebook
  • twitter
  • hatena

pagetop