撮影スタッフのごはん、取材時の差し入れ、お世話になっている方への贈り物etc.毎日いろいろな人たちと仕事をするエディターにとって、“手土産を選ぶこと“は日常。そこで、エディター大森が仕事はもちろんプライベートでも役立つ “ハズさない手土産”をお届けします。
校了。それは、雑誌を作る過程で、最もエネルギーを注ぐ過酷な作業。誤字脱字がないか、文章に矛盾点がないか、写真の色味は問題ないかなどをはじめ、すみずみまで全神経を尖らせるようにして確認し、修正を入れる。もちろん校閲部のチェックも入るとはいえ、最終的な責任は自分にある。校閲部から最終原稿が戻ってくるのは、だいたいいつも夕方頃。それから取り掛かるので、どれだけ集中しても終電ギリギリ、下手するとそれ以上かかってしまうのが常。夜ご飯を食べに出かける時間もなければ、心の余裕もない。編集部でさっとつまめるお惣菜があるととてもありがたい。
そんな校了日のお供に、よく登場するのが「つきぢ松露」の厚焼きたまご。自分の分にくわえ少し多めに買っていき、夜ご飯を食べ損ねた人たちの差し入れにする。「つきぢ松露」は、寿司屋として大正13年に開業。昭和21年以降は卵焼専門店として歴史を刻む老舗だ。ぎゅぎゅっと詰まった硬めの卵焼きは、しっかりめにきいたダシと、甘さ控えめな味つけが疲れきった体に優しく染みわたる。そして、創業70年以上も変わらない伝統の味を頬張りながら、ぼんやりと考える。猛スピードで変わりゆく流行と、紙媒体のこれからについてーー。
松露 ¥864(税込)
▼Information
つきぢ松露
渋谷マークシティ 地下1階 東横のれん街
TEL: 03-3477-4329
渋谷区渋谷2-24-1渋谷駅・東急東横店 東横のれん街
営業時間 :10:00~21:00
▼大森奈奈 プロフィール
大阪府出身。フリーランスのエディター&ライターとして、女性ファッション誌、WEBメディアを中心に活動。アラサー女性の目線に立った企画を得意とし、レディスファッションを軸に、美容、グルメ、ライフスタイル系まで幅広いジャンルの編集・執筆を行う。
写真:馬場紹升
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