スキンケアを断つ「肌断食」ってどんな美容法?効果ややり方を解説!

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一定期間、食事を断つ「断食(ファスティング)」にチャレンジしたことはありませんか。ダイエット目的や酷使した内臓を休めるために挑戦する人が多く、つらい時間を乗り越えた後の心身のすっきり感にやみつきになるのだとか。

どうやら美容においても「肌断食」なるものがあるようです。様々な効果があると噂される「肌断食」とはどんなものなのでしょうか。その効果や方法を解説します。

肌断食とは?

肌断食とは、一時的に、もしくは半永久的にスキンケアやメイクなどを断つことです。人によっては、化粧品に含まれる化学物質などが肌に合わず、毎日のメイクで肌に負担をかけている場合があります。肌断食では肌につけるアイテムの使用をやめ、「肌を休ませて、肌本来の持つ機能を回復させる」という考え方を基に、肌質改善を目指します。

方法としては、週末だけ何もつけずに過ごすソフトなものから、毎日洗顔は水かぬるま湯だけで、洗顔料、スキンケア、日やけ止め、メイクを完全に断つハードなものもあります。肌断食は科学的根拠があるわけではなく、専門家の中でも賛否両論ある美容法のようです。

また、肌に何もケアをしないため、人によっては肌質が改善するどころか悪化することもあります。それが好転反応なのか、肌荒れかは素人には判断しにくいため、肌断食にチャレンジするときは皮膚科医などに相談しましょう。

肌断食で期待できる効果

肌断食の効果は諸説あるため、今回は代表的なものだけをご紹介します。効果の出方には個人差があるため、今回ご紹介するものと同じ効果を得られるとは限りません。

摩擦によるダメージを軽減

指やブラシで顔を触る毎日のスキンケアやメイクは、顔に少なからず物理的な刺激を与えています。刺激に弱い肌は、少しの摩擦でも表面の角質層に傷がつくなどして、肌トラブルを招く可能性も。

しかし肌断食では肌に塗るものを断つため、肌を触る回数が少なくなります。そのため、肌断食を実践すると摩擦による肌へのダメージを軽減できると言われています。

自然なターンオーバーを促す

肌が荒れてしまうと、その箇所を隠そうとカバー力のあるアイテムを使いたくなりますよね。そうすると洗浄力の強いクレンジングや洗顔料の力を借りなければならず、メイクと一緒に本来肌に必要な皮脂をも洗い流してしまい、さらに乾燥肌が進んでしまう……なんてことも。

このような悪循環に陥りがちな肌荒れに対して、「肌を休めて、そもそも肌に備わっているターンオーバーのサイクルを蘇らせよう」と肌断食を試す人もいます。

ターンオーバーとは、表皮の角質層において起こる新陳代謝機能です。皮膚の奥では一定のサイクルで新しい角質細胞が生まれ、上へ上へと押し上げていくので、外側にある古い細胞は角質や垢として剥がれ落ちていきます。

このターンオーバーを健やかに機能させるためには、規則正しい食事や生活習慣でホルモンバランスを整えることがカギとなります。そのため、肌を休めるタイミングで、日々の生活習慣を見直すと、よりターンオーバーの改善につながると考えられます。

皮脂分泌の量がほどよくなる

健やかな肌は、適量の皮脂でできた「皮脂膜」で覆われています。この皮脂膜は、肌内部への細菌などの侵入や水分の蒸発を防ぎ、角質層内部の保湿成分が失われるのを防ぐという重要な役割を担っています。

しかし不規則な生活などでホルモンバランスが崩れると、体内の調整機能が乱れ、皮脂の分泌量が過剰になってしまうことも。過剰な皮脂分泌は、肌のテカりや、毛穴詰まりを起こしてニキビになるなど、様々な肌トラブルを引き起こします。とはいえ、皮脂を洗い流そうと、強い洗浄力の洗顔料で顔を洗うのはNGです。皮脂膜に必要な皮脂も洗い流してしまうため、さらに皮脂分泌が促されてしまいます。

肌断食では、洗顔料を使わずに水やぬるま湯のみ、もしくは天然由来の石けんを使用して顔を洗います。洗浄力が弱く、必要以上に皮脂を洗い流さないため、皮脂分泌の量がほどよくなると考えられています。

お金や時間の節約につながる

毎日行うものだからこそ、お金と時間がかかるスキンケア&メイク。年間平均の化粧品に支払う金額は、2018年で3万5,412円でした(総理府統計局「家計調査年表」より「2人以上の世帯の家計収支」)。

肌断食が習慣化して、スキンケアやメイク商品を購入しなくなると、その分のお金が浮きます。また朝の身支度も洗顔と髪のセットだけで終わるため、時間を有効利用できるようにもなります。

肌断食のやり方

肌断食は「水洗顔のみで、肌に塗るものを断つ」というのが一般的なやり方のようです。しかし初心者にとっては、いきなりすべてのスキンケアを断つと肌が荒れてしまいます。また、ライフスタイルや仕事によってはメイクが手放せない人もいるでしょう。

そもそも肌断食の目的は、肌を休めて肌質を改善することです。まずは自分のライフスタイルにあわせてできる範囲から使用するアイテムを厳選し、減らしていきましょう。そこで今回は初心者向けのソフトな肌断食方法をご紹介します。

メイクの量を減らす

毎日フルメイクをしなくても、アイラインを引いたり、リップを塗ったりするだけでメイクをしている雰囲気をつくりだすことはできます。本当に必要最低限のメイクアイテムに絞り込むのも、肌断食の一種です。肌に塗る工程が1つでも少なくなれば、肌への摩擦を軽減できます。

また使用する量を減らし、薄く塗ったナチュラルメイクもおすすめです。カバー力があるものは、洗浄力の強いクレンジングなどが必要になるため、避けたほうが良いでしょう。

洗顔はダブル洗顔不要のものを選ぶ

1回の洗顔でメイクも汚れも落とすことができれば、肌への摩擦を軽減できます。洗顔には、メイク落としと洗顔を同時に行う「ダブル洗顔不要」をうたうものがおすすめです。クレンジング、洗顔料、どちらのタイプにもあります。洗い上がりがもっちり肌になる保湿成分配合のものであれば、より良いです。

石けん洗いOKのメイクアイテムを選ぶ

メイクはしたい、でも肌への負担が気になる人は、メイクアイテムの選び方を変えてみましょう。よく化粧品に含まれているシリコーン、合成ポリマー、紫外線吸収剤などの化学物質は強い洗浄力のクレンジングが必要です。そのため日常のメイクには、「石けん洗い」もしくは「石けんオフ」をうたうアイテムを使用しましょう。

「石けん洗い」のメイクアイテムには化学物質がほとんど含まれていないため、肌にやさしい化粧品といえます。石けんの泡だけでメイクを落とすことができ、ダブル洗顔が不要です。メイク中も、メイクを落とすときも肌に与える刺激を軽減できるのでおすすめです。

スキンケアは多機能なものを選ぶ

洗顔後のスキンケアには、多機能なオールインワンジェルがおすすめです。“1つで7役”という風に、化粧水、乳液、美容液、美容パックなど多くの美容効果を含むものであれば、肌に塗布する回数が1回で済むので肌への刺激を軽減でき、時間もお金も節約できます。

紫外線対策は日傘や帽子を有効利用

一般的な肌断食では、日やけ止めを使用しないように努めます。しかし、春夏などは紫外線量が多く、きちんと対策を取らないと肌にダメージを与え、乾燥や肌荒れが起きてしまいます。日やけ止めを使いたくない場合、外出する際は、紫外線カット効果の高い日傘、帽子、アームカバーなどを身に付けて紫外線を物理的に遮りましょう。

ただし、紫外線は窓を通じて室内にも届きます。毎日きちんと日やけ止めで紫外線対策をしたほうが、肌のためには良いでしょう。しかし「SPF/PAの数値が高いものを選べばOK」というわけではありません。数値が高いと肌を防御する力も高くなりますが、それだけ肌にかける負担が大きくなります。室内や日常的な外出であれば、SPF20か25、PA++程度で十分です。使うシーンに合わせて自分にぴったりの日やけ止めを選びましょう。敏感肌や乾燥肌の人は、肌にやさしい「紫外線吸収剤不使用」のノンケミカルの日やけ止めがおすすめです。

休日だけ肌断食

誰にも会わずに、気兼ねなくスッピンで過ごすことができる休日は、肌断食チャレンジにぴったりです。

準備として、休みの前日はしっかりメイクなどを落として、スキンケアはお休みします。乾燥が心配な人は、保湿成分を含む洗顔料やクレンジング剤を使用しましょう。もしくは乾燥が気になる箇所にワセリンを使用します。

休日当日は、水もしくはぬるま湯のみで洗顔し、スキンケアもメイクもしないまま1日を過ごします。外出する際は、帽子や日傘などで紫外線対策をきちんとしましょう。夜もできれば水もしくはぬるま湯のみで洗顔しますが、汚れが気になる場合は石けんを使います。

ただし肌がひりひりしたり、違和感を覚えたりしたら、保湿クリームなどをつけていつものスキンケアに戻してください。無理は禁物です。休日の肌断食を終えたら、平日は普段通りのスキンケア&メイクで過ごしましょう。

肌断食の注意点

美容への関心が高い人が注目する「肌断食」ですが、専門家によっては賛否が分かれています。そのため、実際に肌断食に挑戦するにはいくつか注意する必要があります。

皮膚科に相談しながら実践すること

肌断食の美容効果について、医学的な根拠は不明です。肌をケアしないので、人によっては肌状態が悪化してしまう可能性があります。素人判断は危険のため、きちんと皮膚科などの専門家に相談して、肌の健康状態を逐一チェックしながら肌断食を行うようにしましょう。

生活習慣にも気を配る

肌断食は元々「肌を休めて、本来の肌機能を取り戻す」という考え方に基づいています。そのため、断食期間中は、食事や睡眠といった生活習慣にも気を配りましょう。肌断食の効果に挙げた「ターンオーバーが整う」、「皮脂分泌量がちょうどよくなる」などは、本来、規則正しい生活習慣によって得られるものです。

肌の細胞をつくる基となるタンパク質や、美肌つくりに必要なビタミンなどの栄養素をバランスよく摂ることが食事の基本です。睡眠においても、眠りについてから分泌される成長ホルモンは細胞を修復したり、疲労回復したりする働きがあります。「しっかり栄養を摂って、ぐっすり眠る」という基本の生活習慣が、肌本来の機能を取り戻す近道になるかもしれません。

まとめ

肌断食は“肌につけるものはすべて断つ”というインパクトのある手段に注目してしまいがちですが、最終的な目的は「肌質の改善」です。肌断食でその人の理想的な肌質になったという体験談もありますが、肌質は人それぞれ異なるため、その人にとっていちばん良い肌の休息方法も異なります。現状の肌質に悩んでいる人ほど、新しい美容法が出ると試してみたくなりますが、きちんと専門家に相談しながらチャレンジしましょう。

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