素肌の調子を整える「化粧水」。なんとなく洗顔後にパシャパシャつけている人も多いのではないでしょうか。肌には必要なものとわかっていても、どのような役割か、効果があるか意外と知らないものです。
化粧水は正しい使い方をすると、効果がアップして肌の仕上がりが変わるかもしれません。でも、そもそも「正しい化粧水の使い方」とは一体どんなものでしょうか。そんな疑問に答えるべく!化粧水の基本から応用テクニックまで詳しくご紹介します。
化粧水の基本的な役割は、必要な水分や美容成分を与えて「肌を整える」ことです。ではどうして化粧水が必要といわれているのでしょうか。
本来、肌表面にある角質層には紫外線、摩擦、乾燥といった外部刺激から皮膚細胞を守る「バリア機能」が備わっていて、肌内部の水分と油分のバランスを保っています。しかしストレスや乱れた食生活など、何らかの原因でバリア機能が低下してしまうと、水分と油分のバランスを保てずに、肌トラブルを引き起こしてしまうのです。
特にメイクをする人は、メイクブラシなどの摩擦による刺激を受けたり、一日中肌をメイクの膜で覆っていたりして、より肌に負担がかかっている状態です。また加齢により、そもそもの肌内部の水分量が減ってしまうので、みずみずしい肌をキープするには肌に水分を補給したほうがよいでしょう。
もちろん、化粧水自体に肌トラブルを治したり、改善したりする機能は備わっていません。しかし正しく使い続けると、水分や美容成分をしっかり肌に蓄え、トラブルが起きにくい、ハリツヤのある健やかな肌に整えることができるのです。
では化粧水で肌を整えると、どのような効果を得られるのでしょうか。代表的なものをご紹介します。
・肌がうるおう(保湿効果):保湿成分を肌に与えると肌内部に水分がキープされて、肌がうるおいます。
・キメが整う:肌内部に水分が満たされると、肌がやわらかく、ふっくらしてキメが整います。
・その後に使う基礎化粧品の効果アップ:肌の土台が整うため、化粧水の後に使う美容液やクリームを吸収しやすい状態になります。
・毛穴を引き締める:収れん化粧水などは毛穴をキュッと引き締める効果を持っています。
ほかにも、角質拭き取り、美白ケア、エイジングケアなど、メーカーやアイテムによって、プラスアルファの機能性を付加しているものもあるので、自分の肌質に合ったものを含まれたものを選びましょう。
化粧水のテクスチャは「サラサラ」と「とろみ」の2種類があります。一般的に「とろみ」のほうが、肌表面にうるおいの膜を張るので保湿力が高いと言われていますが、肌につけた後の使用感の好みで選ぶと良いでしょう。もしくは気温が高い春夏は付け心地すっきりな「サラサラ」を、乾燥する秋冬は付け心地しっとりな「とろみ」を選ぶなど、季節によって使いわけるのもおすすめです。
化粧水の効果がわかったら、次に化粧水の「基本的な使い方」として、使うタイミングや順番などを確認しましょう。
化粧水を使うタイミングは、基本的に朝と夜の2回で、洗顔の直後がベストです。朝起きたときの肌の表面には、実は寝ている間にたまった皮脂・汗・ほこりなどが前日のスキンケアと混じり合って、思ったよりも汚れています。ぬるま湯と洗顔料でしっかり汚れを落としてから、化粧水を使いましょう。
また、洗顔後の肌は、汚れと一緒に肌に必要なうるおいも流れてしまっていて、放置すればするほど、肌の水分が蒸発していきます。そのため、洗顔した後は、素早く化粧水で水分補給することが大切です。
乾燥する秋冬は、日中に肌がかさつくときもありますよね。そんなときは、ミスト状の化粧水で水分補給をしてあげると、肌がうるおい、気分転換にもなります。メイクの上からスプレーOKなものもあるので、用途に合わせて選びましょう。
朝晩のスキンケアの順番は以下の通りです。
洗顔 → (導入美容液) → 化粧水 → (美容液) → 保湿クリームまたは乳液 → (日焼け止め)
初めに洗顔で顔の汚れを落とし、化粧水で水分・美容成分を補給して、保湿クリームまたは乳液で油分を補い、肌の水分蒸発を防ぎます。この3つがスキンケアの大黒柱なので、押さえておきましょう。美容成分の浸透を助ける「導入美容液」や、特定の肌悩みに働きかけて集中ケアをする「美容液」をつける場合は、上記のようなタイミングで使うのがおすすめです。ただしメーカーや商品によっては、つける順番を指定している場合もあるので、その場合は指示に従いましょう。
化粧水の使用量は、基本的にはメーカーが推奨している量を使うようにしましょう。「適量」と表記されている場合は、500円硬貨大ほどの量が目安です。
つけ方は「コットン」と「手」の2種類があり、こちらもメーカーが推奨するほうを選びましょう。いずれもたっぷり量をつけて、肌がひんやりとした感触になるまで、水分を浸透させるようにつけることが大切です。
コットンよりも摩擦が少なくて済む「手」ですが、強く肌をパッティングしないように注意してください。肌から手のひらを離すときに、手に吸い付くような感覚があれば、水分が浸透したサインです。
(1)乾いた手のひらに適量をとり、体温で温めるように手のひら全体に広げます。
(2)両手で顔全体をつつみこみように、肌になじませます。
(3)小鼻や目のくぼみなど、細かな部分は指の腹をつかってなじませます。
(4)やさしく、手のひらで顔の皮膚を押さえるようにハンドプレスします。
(5)細かな部分や乾燥している部分は重ねづけしましょう。
(6)首やデコルテも忘れずに。首の下から上に向かって、両手で、軽く押さえるようになじませます。
化粧水を含ませる量が少ないと、摩擦を起こして刺激を与えてしまうので、コットンを使う場合は「量をたっぷり」つけて、「やさしくすべらせる」ようにつけましょう。
(1)コットンは中指(と薬指)の腹にのせ、人差し指と薬指(もしくは小指)で両端を押さえます。
(2)化粧水をコットンの裏側まで染み込むまで、含ませます。
(3)顔の内側から外側に向けて、肌の上をすべらせるように、なじませていきます。
(4)小鼻や目の周りは、やさしく押さえる程度でOKです。
(5)コットンが乾いてきた、もしくはまだうるおいが足りないようであれば、都度化粧水を足してつけましょう。
(6)首やデコルテも忘れずに。首の下から上に向かって、拭くようになじませます。
化粧水の正しい使い方をマスターしたら、次は効果アップを期待できる「応用的な使い方」を見てみましょう。また、自分の肌質にぴったりな化粧水を選ぶためのコツもご紹介します。
朝晩、スキンケアの一環で化粧水をつけるだけでなく、夜のスペシャルケアや昼の化粧直しのときにも化粧水は役立ちます。それぞれの有効活用方法を見てみましょう。
・化粧水でパックをすれば美容成分の浸透アップ!
うるおい不足を感じたら、夜洗顔後に化粧水パックをして、集中ケアをしましょう。市販のパックでも良いのですが、いつもの化粧水でも市販のシートやコットンを使えばパックができます。
(1)市販のシートやコットンが全体的にひたひたになるまで、化粧水を含ませます。
(2)コットンは3~4枚程度に割きます。
(3)肌に密着させるように、両頬、おでこ、目元など顔全体に隅々まで貼り付けます。
(4)5分程度放置してパックします。途中シートやコットンが乾いてしまうときは、化粧水で湿らせた手で上から押さえたり、ミストタイプの化粧水を上から吹きかけたりします。
・メイクの仕上げや外出先の化粧直しにはミスト化粧水!
乾燥すると、毛穴やシワのくぼみにファンデがたまってしまいがちです。それらを防ぐためにも、メイクの仕上げや化粧直しに、ミスト化粧水で肌の水分補給をしてファンデーションを密着させましょう。ファンデの粉浮きも落ち着くのでおすすめです。
【朝メイクの仕上げに】
(1)メイクをすべて終えたら、仕上げにミスト化粧水を顔全体に吹きかけます。ミストは直接肌にかけるよりも、顔の上側にシュッと出して、落ちてくる化粧水を顔で浴びるように使います。
(2) 手のひらで顔を包み込むようにして、化粧水を肌になじませます。
【外出先の化粧直し】
(1)汗や皮脂をティッシュで押さえてオフします。
(2)化粧直し用のミスト化粧水を顔全体に吹きかけます。ミストは直接肌にかけるよりも、顔の上側にシュッと出して、落ちてくる化粧水を顔で浴びるように使います。
(3)手のひらで顔を包み込むようにして、化粧水を肌になじませます。
(4)スポンジなどで、メイクの浮きやヨレを取り除き、上から下地やファンデーションを少量のせて、なじませます。
付け心地や、含まれる美容成分など化粧水にもさまざまな種類があります。そのため、自分の肌質に合ったものを選ぶと、より効果を実感しやすくなるでしょう。ではそれぞれの肌におすすめの化粧水を選ぶコツをご紹介します。
【乾燥肌】
水分・皮脂が少なく、かさつきが気になる乾燥肌の人は、高保湿タイプの化粧水でしっかりうるおいを補給しましょう。特に肌のうるおいを守る「セラミド」、「ヒアルロン酸」、「コラーゲン」などの成分が含まれる化粧水がおすすめです。付け心地も「サラサラ」より「とろみ」があるものを選び、きちんと手のひらに吸い付くまで化粧水を肌になじませてください。
【脂性肌】
水分・皮脂が多く、べたつきやテカリが気になる脂性肌は、うるおい不足による皮脂の過剰分泌が原因です。十分にうるおい補給して、油分と水分のバランスを整えましょう。サラサラなテクスチャの高保湿のもので、皮脂を抑制する機能がある化粧水がおすすめです。反対に油分の多い保湿クリームは、乾燥が気になる部分だけにつける程度にします。
【混合肌】
顔のパーツによって水分量・皮脂量に差があり、かさつきもべたつきも気になる混合肌。うるおいと皮脂のバランスを整えるために、保湿ケアが大切ですが、特に乾燥がきになるところは化粧水パックを行うなど対策しましょう。また、「ビタミンC誘導体」が乾燥・ベタつき両方にアプローチできる美容成分といわれています。
【敏感肌、ゆらぎ肌】
ちょっとした刺激で肌がピリついてしまう敏感肌・ゆらぎ肌は、季節の変わり目、花粉やPM2.5などの外部刺激などが原因で肌のバリア機能が低下している状態です。パラペン(防腐剤)・アルコール不使用、無香料・無着色など低刺激な化粧水を選んで、丁寧にやさしくケアをしましょう。摩擦が起きやすいコットンは使わず、手でそっと顔を包み込んでケアしてください。
朝晩のケアで、素肌の調子を整える「化粧水」。効果をなかなか感じられないと、アイテムの買い替えを考えてしまいがちですが、使い方をちょっと見直すだけで、その効果は変わってきます。
日中のメイクとは違ってすぐ美しくなることはないものの、正しい使い方を守って使い続ければ、肌を健やかにキープしてよりメイクを美しく見せてくれます。化粧水の使い方の基本から応用編までしっかりマスターして、透明感のある健やか美肌を目指しましょう。