時代を変えた「ミニの女王」マリー・クワントの業績をたどる!日本初の回顧展「マリー・クワント展」開催

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マリー・クワント初期のキャリアをたどる「マリー・クワント展」

マリークワント(Mary Quant)を創設したファッションデザイナー、マリー・クワントの展覧会「マリー・クワント展」が、2023年1月29日(日)まで、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催中です。

Photo:Hiroaki Horiguchi

1960年代のイギリスで、若者発のストリートカルチャー「スウィンギングロンドン」を牽引したファッションデザイナー、マリー・クワント。今では当たり前になったミニスカートやタイツをはじめ、西洋の服飾伝統や階級文化にとらわれない活動的なデザインをストリートに浸透させ、コスメやインテリアにまで及ぶ幅広いクリエーションで多くのファンを魅了。さらに量産化時代の波に乗った世界的なブランド展開や自らがファッションアイコンとなる広報戦略でも注目を集めました。

資料だけでもワクワク!マリー・クワントのセンスに酔いしれる

本展覧会は日本初となるマリー・クワントの回顧展。ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)でも開催された世界巡回展である本展覧会では、約100点の衣服を中心に、小物、写真資料や映像などを展示し、マリー・クワント初期のキャリア、1955〜75年頃にかけてのデザイナーとしての業績と、起業家としての足跡を紹介しています。

1955年開店ブティック「バザー」

25歳の若さでブティック「バザー」をロンドンに開店

1930年生まれのマリー・クワントは1955年、わずか25歳で夫のアレキサンダーらとともに若者向けのブティック「バザー(BAZAAR)」をロンドンに開店します。当時のファッションの中心はパリのオートクチュール。イギリスでは若者がカルチャーを牽引する役割を担いつつあった時代で、賃金の上昇や高等教育の無償化という背景もあり、人々の暮らしは豊かになっていた頃。衣服を購入することが楽しみのひとつとなっていたタイミングで、マリー・クワント自身が「着たい」と思うアイテムをデザインし、販売していた「バザー」は若者の間で瞬く間に大人気となります。

すっきりとしたフォルムが印象的

展示空間には初期の作品からおなじみのミニスカートまで、マリー・クワントが手がけた歴代の衣服がズラリ。カラフルで独創的で刺激的。当時のロンドンのアクティブな雰囲気によく合う、すっきりとしたフォルムの衣服が印象的です。

斬新でワクワクするデザインと、着やすさや動きやすさを両立

ミニスカート、パンツスタイルの提案

マリー・クワントといえばミニスカート。旧来のジェンダー観や社会階層にとらわれない、若い女性に向けたデザインの発信を試み、スカートの丈を膝上まで上げて大人向けのスタイルを作り上げました。マリー・クワントによる「膝すれすれ」のスタイルが初めてメディアに登場したのが1960年。以降、多くの若い女性が丈の短いスカートを履き、ミニスカートという言葉が定着していきます。

メンズテイストやフォーマルをカジュアルに取り入れて

マリー・クワントのデザインの特徴はアレンジ力にもあります。男性用のスーツや軍服に用いられる素材やデザインをレディースウェアへ採用。男性向け、フォーマルと捉えられてきたテーラリングを柔らかく動きやすいものへとアレンジすることを試みるのがマリー・クワント流です。女性がパンツをカジュアルな場所、プライベートな場でしか身につけてなかった時代に、マリー・クワントはファッションとしてのパンツスタイルを提案しています。

大量生産&新素材にも積極的に挑む!

心踊るカラフルな展示空間

マリー・クワントのデザインはロンドンを飛び出し、アメリカでも人気を集め、1960年代には大手百貨店チェーンや大手衣料メーカーの依頼で既製服のデザインを提供。1デザインあたり数千点の衣服が量産されていました。大量生産にいち早く注目したデザイナーとしても知られています。1963年には低価格のライン「ジンジャー・グループ」もローンチ。マリー・クワントのデザインは世界各国へと広まっていきます。

新素材を取り入れるだけでなく、しっかりとアップデートし定着させた

マリー・クワントは新素材も積極的に取り入れたデザイナーです。1963年にはPVC(ポリ塩化ビニール)を採用し「ウェット・コレクション」を発表しています。発表されたケープの素材は2年後、イギリスのアリゲーター・レインウェア社とのコラボレーションによりアップデート。つややかな光沢と防水性を兼ね備えた、カラフルなPVCレインコートの誕生です。

広報戦略にも注力!ブランドの顔としてPR

ブランドの顔として世界中にアピール

マリー・クワントはグローバルな展開に際し、斬新なビジネス手法も次々と採用。自分のデザインした衣服を身につけ、自身がファッションアイコンとなる広報戦略で注目を集めます。1966年にはブランドロゴの先駆けとなる「デイジーマーク」を商標登録し、現地企業に生産・販売を任せるライセンス契約を採用することで、より多くのファンがマリー・クワントの手がける衣服を入手できるよう、既製服の量産体制を整えました。

世界中にファンを持つマリー・クワント

同年、イギリスのファッション輸出貿易へ貢献した業績が讃えられ、大英帝国勲章を受けたマリー・クワント。当時、マリー・クワントがどれだけのインパクトを世界に与えたのか。世界中の新聞の一面を飾った授与式でのマリー・クワントのファッションは、本展覧会にも展示されています。クリームカラーのミニドレスとベレー帽というスタイルが世界に放った衝撃を、ぜひ体感してみて!

タイツの浸透もミニスカートの流行があってこそ

マリー・クワントの歩みをもっと知りたい!という方には、Bunkamura ル・シネマにて公開中のドキュメンタリー映画『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』もおすすめです。

Photo:Hiroaki Horiguchi

<開催情報>
【2022年12月9日時点】
※最新の情報はBunkamura HPをご確認ください。
【マリー・クワント展】
URL:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_maryquant/
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
https://www.bunkamura.co.jp/museum/
開催期間:開催中〜2023年1月29日(日)
※1月1日(日・祝)は休館日。
開館時間:10:00~18:00
※毎週⾦・⼟曜⽇は21:00まで。12月31日(土)は18:00まで
※入館は各閉館時刻の30分前まで。
※状況により、会期・開館時間などが変更となる可能性あり。
※本展はすべての日程で[オンラインによる事前予約]が可能です。予定なしでもご入場いただけますが、混雑時にはお待ちいただく場合がございます。
※展覧会概要のほか、内容は変更になる可能性もございますので最新情報はBunkamura HPまでご確認ください。
※記事の内容は公開時点の情報です。価格等の情報については変更している可能性がありますのでご了承ください。

取材・文/タナカシノブ
※写真はすべてBunkamura ザ・ミュージアム「マリー・クワント展」会場風景

※記事の内容は公開時点の情報です。価格等の情報については変更している可能性がありますのでご了承ください。
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